本文 今回お話を伺ったのは、地元で建築設計事務所を営むKさん(59歳)。Canônに登録してから、8か月が経つといいます。長年、社員や後輩から頼られる立場が当たり前だったという彼に、年齢差のある出会いを通して見えてきた変化について聞きました。
Q. Canônを始めた理由はなんですか?
会社を興して30年以上、ずっと人に頼られたり、意見を求められたりする立場にいました。同世代の女性と何度かお見合いのような形でお会いしたこともあるのですが、なぜかどこか気を遣われているような、距離を感じることが続いていたんです。対等に話せる相手となかなか出会えず、少し寂しさもありました。そんなとき、知人から年齢差を前提にしたマッチングアプリがあると聞いて、Canônを知りました。これまでの立場や肩書きを一旦脇に置いて、ただの自分として誰かと向き合ってみたいという気持ちで登録しました。
Q. 印象的なマッチングはありますか?
20歳ほど下の、38歳の女性とお会いしたことが印象に残っています。最初は自分から色々教えてあげなければ、頼りにされる存在でいなければ、と勝手に気負っていました。ところが実際に話してみると、彼女は自分の考えをしっかり持っていて、逆に私が知らなかった働き方の考え方や、今の若い世代の価値観について教えてもらうことばかりでした。年下だからといって、こちらが一方的に教える立場になる必要なんてなかったんだと、驚かされました。
Q. そのマッチングで今思うことはなんですか?
あのとき初めて、自分がどれだけ「教える側」「引っ張る側」でいなければという思い込みに縛られていたかに気づかされました。長年の役割が染みついていたんだと思います。結果的に、価値観の違いから交際には発展しませんでしたが、後悔はしていません。むしろ、年齢に関係なく対等に意見を交わせる心地よさを、あのご縁を通して初めて言葉にできた気がしています。人に頼られることだけが自分の価値ではないんだと、少し肩の荷が下りました。
Q. カノンでの活動を振り返ってどう感じますか?
振り返ると、Canônを始めたことで「自分が引っ張らなければ」という思い込みが、少しずつほどけていった気がします。うまくいったご縁もそうでなかったご縁も含めて、どの出会いも自分の役割の捉え方を見つめ直すきっかけになりました。今も年齢にこだわらず、いろいろな方と対等な気持ちでお話しさせてもらっていますが、以前より肩の力を抜いて出会いを楽しめるようになったと感じています。
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長年培ってきた立場をいったん脇に置いてみたことで、かえって新しい心地よさに出会えたというKさん。年齢や役割にとらわれない関係のかたちは、これからも人それぞれの数だけあるのかもしれません。